公歴から各国の内部事情まで、フレーバーテキストを読みつくしてみたい!

大公史序文

これは800年にわたって6ヶ国時代を記した書である。当時から残されていた記録と、当時から生き残るミニオンたちの記憶を合わせできうる限り公平な視点に立つように心がけたが、新事実の発覚によって中身が覆されたこともあろうがご容赦されたい。この書が多くの歴史家の研究の礎たらんことを望む

公歴808年

第3節:帝国の脅威が取り除かれたのち、アグマとカナタナは示し合わせたかのように内戦状態に陥った。両国からは棄民が発生し、合流して徒党を組み始める。これが空賊の始まりだった
国家の統制を離れて武装した彼らに対し、本来なら咎めるはずの両国は沈黙したままだった。内戦でそれどころではなかったからだ。治安の乱れの象徴と言えよう
第4節:最初は内戦に脅かされ、自分たちの命は国のものではないのだから自由であるべきだと考える集団だったはずだ。しかし、それが何をやっても俺たちの自由だろ?に代わっていくのに対した時間はかからなかった
彼らの理屈から言えば悪いのは国であり、犠牲になる民がいるのも国のせいなのだ。国家にとっての反逆者から民衆にとっても敵に代わってしまったのである
第8節:帝国崩壊によって解放されたタナトス出身の棄民とペンタゴナの荒くれ集団が手を組んで誕生したのが海賊たちだった。六か国の中央に位置するペンタゴナ内海を通じあらゆる地域に出没し悪逆の限りを尽くしたのである
だが彼ら、特にタナトス出身者は罪の意識が希薄だった。自分たちはもっと非道な目にあってきており、この程度大したことないという意識が根底にあったからだ
第9節:帝国崩壊後、エルフはデメテーから大量離脱し、どこの国にも属さない流浪の傭兵団を組織する。まさしくエラー率いるグローリーの影響を多分に受けていると推察された
他国の離脱者とエルフたちが一線を画すのは他の者たちが誘惑に負け犯罪者集団となったのに対し、あくまで独自の陽兵団のスタイルを崩さなかったことである
第10節:傭兵団を組織するにあたり、自彼らは戦闘力のさらなる向上を目指し、新たな技術を導入するマキナスのソルジャーたちから指導を受け、マキナス製の武器の扱いを習得していくのである
元々弓術に優れ遠隔戦の素養が高かった彼らは瞬く間に技術を習得し、新兵器による戦術を確立していったのである
第13節:帝国は倒した。しかしその後の混乱は予想以上であった。帝国さえ倒せば世界は元に戻ると高をくくっていたのだが各国の求心力の低下は予想を超えており、もはやまともに動きそうな国は一つもなかった。
治安維持のためにもグローリーは解散できない。英雄の計算違い。だがそれ擦れも予想を超えており、彼女を世界の中心へと押し上げてしまうのである
第37節:カナタナ国民からエンジェリックウォー平定の要請がグローリーへと提出された。これを受け英雄が仲裁に名乗りを上げると、戦天使シンの下アヴィアンと共に和平に同意、カナタナはグローリーへの従属を申し出る
第38節:国家としてのカナタナは消滅し、グローリー配下の一地方に収まる。上層部が勝手にそんなことをすれば国民から強い反発があったかもしれないが、国民からなされた請願であったため実に平和に体制の移行が成された
第39節:カナタナに続いてポセイドが国権を返上し、グローリー傘下への編入を申し出た。国民の多くに自分たちこそ真の英雄の民であるという意識があり、カナタナに先を越されたとさえ思っていた
二つの国が傘下に加わったことで以降グローリーを中心とした政治体制に統一政府の名が冠されることになる
第47節:ヴァンパイアたちが自発的にヴァンパイアショックを抑えてくれたのは望外の幸運と言えた。だがたとえそれが収まったところで統治者不在の影響は大きく、さらに海賊の襲撃も度重なり、タナトスは荒廃を極めようとしていた。彼らは救世主を必要としていたのである
そこに飛び鋳込んできたのがカナタナとポセイドが国権を解体し、グローリーの傘下に編入したというニュースであった
第52節:グローリー編入に際し、タナトス側からはそれなりの抵抗があり、戦火も交えられた。ただ、ヴァンパイアたちによる周到な根回しにより大半の賛同を取り付けていたため犯行は大規模なものにならずに散発的な者に終わる
これで廃絶されたのは3国家目となり、いよいよグローリーは統一政府と呼ぶにふさわしい規模へと拡大されたことになる
第67節:最初の依頼は戦闘参加であったが、エルフたち傭兵団自らが索敵により敵の本拠地を割り出すという実に地道な作業を買って出てくれた。しかも考えうる最も短期間にそれを達成して見せてくれたのである。その分政府軍は防衛に徹し、民衆の被害を最小限に収めることができたのだ。
派手な戦闘とは程遠い花型とは決して言えない仕事を黙々とこなす姿に傭兵団の声望は高まっていった
第75節:本拠地を失ったことで海賊団は幸福、捕まった海賊たちは迷惑をかけた住民のための労役を課せられることになった。後先考えず勝手気ままにやり過ぎた結果、残りの人生を他人のための労役に費やされることになったのだ
半海棲のミニオンも多くいたが、使役先を考慮されることはなかったという
第83節:海賊討伐終了後、マキナスは自ら進んでグローリー編入を望んだ。彼らの国民性は規律と統率を好む。これまでは国家そのものが自分たちのふたをしていたのではないか?英雄の下でならより充実した世界が舞っているのではないか?
恐ろしいことに末端だけでなく、首脳陣ですら意見が同一であった。いかに当時のマキナスが自信を喪失し、病んでいたかの証左と言えよう
第92節:一部氏族からの抵抗はあったものの、住人たちの消極的賛成を受けてデメテーも統一国家への参入が決定される
ただし一人の王の下にすべての地域種族が平等に扱われることを提示される
当初王政に反対だったエラーだったが、この条件をのむため初代国王就任を受け入れたとされている。デメテー消滅からの一連の出来事は「獣人唯一のせいか」と長らく語られることになる
第100節:アグマ末期、国は三つに分裂していた。ドワーフとゴレイムが支配する下層、恐竜たちの勢力圏である周辺部、そして両者の戦いから身を引き空賊におびえる中層である
ジュエリストを中心としたこの中層の民たちがアグマ解体に向け主導的な役割を果たすことになる
第106節:ドワーフ族の王であり、当時大統領の地位にあったドゥリンはついに決断を下す。和平条約に調印し、アグマの主権を放棄、新たな統一政府の一員となることを
これをもって全戦闘が集結、エラーの下世界連合王国が誕生する
800年にも及ぶ6ヶ国の歴史に幕が下りたのだ
第108節:空賊の本拠地攻めに際し、統一国家は六か国全て(正確にはアグマはジュエリストのみであった)から戦力を供出させ新たな舞台として再編。その軍用は災厄竜討伐やあの竜大戦の折も、BS事変でも実現しなかった6ヶ国連合軍の様相であり、新たな時代を感じさせるものであった。いずれは軍服も統一されることになるだろう。各国の制服が一堂に会するのはこれが最初で最後であろうと思われた
第112節:ラスとエラーの何が違うのか。国盗りに成功したか失敗したかの差しかない。何が英雄か
そう主張する歴史家もおり、それが一面真実である点は否めない。毎格な違いは前者が専制国王であり、後者は議会制民主主義における王であったということ。国王の政策に対し、議会には拒否権があった。王の独断が許されないのだ
たったこれだけの、しかし大いなる差によって前者は梟雄と見なされ、後者は英雄とされたのだ

王国記:王紀元年

第6節:デメテーの意見を入れたのか連合王国が採用した政体は議会制民主主義であった。各地方の国民によってえらばれた代表者が集い、提示された国策を吟味しその可否を決定するのである
政府構成者の罷免の権利のほか、王の戴冠の可否も議会の権利とされた。そして初代国王としてエラーを認めるか否かを決定する第一回目の王国議会が開催されるのである
間接的とはいえ国民に王を決定する権利が与えられているのだ。なんと晴れがましい事であったか

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